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■はじめに
2016年12月10日
代表の山田です。
22年間大阪のデザイン会社で勤めた後退職。独立し現在に至る。
前職では、電機メーカーの複合機やレジスター、POS、ワープロ、などのサービスマニュアル、パーツカタログを制作していました。
少し長くなりますが、その頃を思い出しながら書いてみます。
私が入社した頃は、まだ手書きの時代。ドラフター(下の写真の左側)でテクニカルイラストを描いていました。
製図用のシャーペン0.3mmと0.5mmを使い分けながら(片方を口に咥えると言う過酷な労働(笑))トレーシングペーパーに描いてました。ここは長くなるのでパソコン時代を中心に書きますね。
入社して3年目ぐらいに、Windows3.1が導入されました。
その頃のデザイン会社は、Macが当たり前の時代でしたが、お客様よりのお勧めでWindowsを導入していました。(そのため当社はWindowsです)
ソフトは、Micrografx DESIGNER(マイクログラフィックス社)。今はCorel DESIGNER(コーレル社)になっているかと思います。
当初はそのお客様より手書きのイラストをトレースする仕事。その頃のPCは遅く、スキャンした画像を取り込み表示されるのをひたすら待つ。ズームしようものならまた待つ…と言う時代。
データ納品もフロッピーディスクです^^ その頃のソフトは機能も少なくデータも軽かったのでしょうね。
まだ当時の価格で、一台100万円以上もする時代。一台のパソコンを二人で使うため二交替制で作業しました。(私はペーペーでしたので、夜から朝方までを担当)
PCが飛躍的なスピードで改良・改善され、そんな時代はあっという間に終わりました。手書きの時代からパソコンの時代へ。全てのスタッフにパソコンが与えられ、手探りで時代の変化に対応していました。まだまだ非力なパソコン。フリーズするのは当たり前。
隣で「あーーーー!」と言う言葉を聞くと「ご愁傷様です」(笑)。ある意味一番楽しかったですね。
その頃は、カメラもフィルムです。今のようにデジカメやスマホで何枚撮影しても費用ゼロでなく、現場で撮影した写真を確認する事も出来ないので、打ち合わせも必死でした。撮影に失敗すると、再度打ち合わせをお願いするしか方法が無いですし、現像代も馬鹿にならないですから。一人で打ち合わせに行く事も多く、お客様の話をメモする時間もない。作業内容を頭に叩き込み、撮影した写真を見ながら何を描くのか思い出せなければ?
平謝りしてお客様に再確認です。
パーツカタログ用のイラストは、紙図面をスキャン。トレースして立体にする。(数年後には、CGソフト(*TrueSpace)でモデリングしたり、そのまま2Dソフトで立体にしたりケースバイケースとなる)この場合も図面だけでは時間が掛かるので写真撮影は必須でした。
マニュアルはパーツガイド用のイラストを活用するか、写真を撮ってトレース。図面だけで立体にするには時間が掛かるので、打ち合わせ時の写真撮影は重要な工程でした。
現在も3DCADへ以降されていないお客様は(紙図面をトレース⇒DXFデータのご提供)以外は今も変わらず同じ作業です。
(*TrueSpaceを調べると現在はフリーソフトになっていた^^;)
パーツカタログはリストとの照合作業がかなり大変。イラスト番号とリスト番号が合致していないと誤発注になるのでミスは許されない仕事です。複合機だと、1商品2000パーツ~4000パーツほどあるのですが、その商品全ての構成表データから製造注意書などの資料でサービスパーツを選別し、自分で作成したイラストと一点一点照合します。気の遠くなる作業ですね。
DTPは遅れて取組み始めました。ソフトは当初VENTURAで(このソフトを私が使った期間は短くあまり記憶にない)その後、お客様の指定でAdobe FrameMakerに変わりました。構造化や大量ページに適していたからでしょう。マニュアルは、通常組版とお客様からご提供頂いた構造化データとの使い分けで作成です。事業部毎で仕様が違うのでそれぞれフォーマットを変えて制作していました。パーツカタログは、イラストとリストが繰り返しあるだけでリストも表組の仕様が決まっているので自社でプログラムし、早くに自動化していましたね。
私は面白そうと思えば「やりたいっ!」と言うタイプなので、テクニカルイラスト, パーツカタログのリスト作成, DTPとドキュメント部門の全ての仕事に従事したのは私だけかな。流石にプログラムは簡単なマクロを作る程度でした。
そして、PCは更に改良・改善されて、設計ソフトも3Dの時代へ。
3Dになるとイラスト制作は楽になりますが、不要な線が多く、Adobe Illustratorに取り込んでから、不要な線を削除しなるべくデータを軽く、イラストを見易くする作業が増えました。3Dデータ特有の不要な線は今でも削除は必須ですね。
パーツカタログでは、レイアウト作業や引き出し線や番号入れ、マニュアルでは網掛けや矢印を入れたり線の強弱をつけたりとデータが重いと作業が円滑に進まない。また不要な線があると伝えたい箇所がぼやけてしまいます。また美しくないですね。
この20年ぐらいの技術の進歩は凄まじかったですが、今は少し落ち着いているような感じです。
パーツカタログやマニュアルもWeb化へと進化はしていますが、その元データの作り方は基本同じです。印刷が減ったとは言えPDFデータは必要でDTPの仕事も変わらずあります。
でも、次の時代は訪れるので、AIや自動化などの新しい技術が出来るのは避けて通れないでしょうね。
A1やA2図面を縮小コピーして切り張りし、A3サイズでスキャンしていた時代が懐かしいです。
ざっくりですが、このような経験を前職で学ばせて頂いた後、お客様や友人,同僚の援助やご協力のもと独立しました。
思いつきで書き進めましたので、こちらの文章を推敲し、また文章を追記したり修正していきたいと思います。